施行日:令和元年六月二十五日

第一章 総則

第一章 この法律総てにいえること

第一章 総則

第二章 建物の敷地、建物の構造、建築設備について

___
(建築基準法の目的)
第一条

この法律の目的は、建築物の敷地や構造、設備、用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命と健康と財産を守ることです。

その結果として、建築物に直接関わる人だけではなく、ご近所や社会全体にとって幸福が訪れることまでも目的としています。
原文
(この法律に出てくる用語)
第二条

この法律に出てくる専門用語の意味は次の通りです。
原文

 一

「建築物」とは…

屋根と柱と壁があって、土地の上に建つものを指します。

場合によっては、屋根や柱や壁を使っていなくても、それと同様の機能のものも含めます。

次のような設備も「建築物」に含みます。
  • メインの建築物といっしょに建つ門や塀
  • 競技場や客席のある施設
  • 事務所や店舗や劇場や倉庫として地下や高架下に建てられた施設

ただし地下や高架下にあっても、次のようなものは含めません。
  • 線路の敷地に建つ鉄道の運行に必要な設備
  • 跨線橋
  • 屋根付きの駅のホーム
  • 水やオイルやガスをためておくためのタンク

また、機能の一部として、ライフラインのための設備も「建築物」に含めます。
原文


 二

「特殊建築物」とは…

戸建て住宅以外の建築物といえるもので、次のものを指します。
  • 学校、専修学校、各種学校
  • 体育館
  • 病院
  • 劇場、集会場、展示場、その他の客席のある施設
  • 百貨店、ショッピングモール、市場
  • ダンスホール
  • パチンコ屋、パチスロ屋
  • 公衆浴場、銭湯、温泉施設
  • 旅館、ホテル
  • アパート、マンション
  • 学生や労働者向けの宿泊施設、下宿
  • 工場、倉庫、車庫、危険物の貯蔵場
  • と畜場、火葬場、汚物処理場
上記以外であっても、これらと同じような使いみちで利用される建築物も同様に扱います。
原文


 三

「建築設備」とは…

建築物に設置する次のような設備を指します。
  • 電気とガスの設備
  • 給水と排水の設備
  • 換気と冷暖房設備
  • 消火と排煙設備
  • 汚物処理設備
  • 煙突
  • エレベーター
  • 避雷針
原文


 四

「居室(きょしつ)」とは…

一時的な使用ではなく、次のような目的で継続的に使用する建築物の中の空間のことを指します。
  • 一般的な家庭生活をする空間
  • 仕事や作業をする空間
  • 人が集まる空間
  • 趣味や娯楽をする空間
上記以外であっても、これらと同じような使いみちで利用される建築物の中の空間も同様に扱います。
原文


 五

「主要構造部」とは…

次のような部分を指します。
  • はり
  • 屋根
  • 階段

ただし、次の部分は「主要構造部」にはふくまれません。
  • 建築物の構造上重要でない間仕切壁
  • 間柱、附け柱
  • 揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床
  • 小ばり
  • ひさし
  • 局部的な小階段、屋外階段
上記以外であっても、これらと同じような建築物の部分も「主要構造部」に含まれないものもあります。

原文


 六

「延焼のおそれのある部分」とは…

建築物の中でも火災が燃え移りやすいゾーンのことで、以下の基準線上から、一階であれば三メートル以内、二階以上であれば五メートル以内を指します。

基準線上とは次の通りです。
  • お隣との境界線上
  • 接している道路の中心線上
  • 同じ敷地の中に二つ以上の建物が建っている場合は、その建物の外壁と外壁とを結んだ中心線上

ただし、次のような火災が燃え移りにくい場所と面している場合は、「延焼のおそれのある部分」の対象にはなりません。
  • 防火上有効な公園や広場
  • 河原の空き地
  • 海、川、湖、池など
  • 構造的に火災が燃え移りにくい耐火構造の壁
  • その他、上記と同じような防火機能がある場所

原文


 七

「耐火構造」とは…

通常の火災にあっただけでは倒壊したり、燃え移ったりしない構造を指します。

一般的には、倒壊や延焼の防止性能に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造か、れんが造で壁や柱、床などを仕上げることを指します。

具体的には、国土交通大臣が定めた構造や、国土交通大臣から認定を受けた構造であることが必要です。

原文


 七の二

「準耐火構造」とは…

通常の火災にあったとしても、燃え広がりにくいようにするための構造を指します。

“燃え広がりにくさを示す性能”のことを、《準耐火性能》といい、政令で定める技術的基準に適合する《準耐火性能》を有した上で、国土交通大臣が定めた構造や、国土交通大臣から認定を受けた構造であることが必要です。

原文


 八

「防火構造」とは…

建築物の外壁や軒裏(のきうら)が、周囲の火災から簡単には燃え移らない効果がある材質や作りになっている構造を指します。

一般的には、燃え移りにくい効果に関して政令でで定める技術的基準に適合する鉄網モルタル塗か、しつくい塗などの外壁や軒裏を仕上げることを指します。

具体的には、国土交通大臣が定めた構造や、国土交通大臣から認定を受けた構造であることが必要です。

“周囲の火災から簡単には燃え移らない効果を発揮できる性能”のことを《防火性能》といいます。

原文


 九

「不燃材料」とは…

通常の火災の炎の熱を受けても燃え移らない効果がある建築用の材料のことを指します。

具体的には、国土交通大臣が定めた構造や、国土交通大臣から認定を受けた構造であることが必要です。

“火災の熱を受けてもは燃え移らない性能”のことを《不燃性能》といいます。

原文


 九の二

「耐火建築物」とは…

以下の基準に適合する建築物のことを指します。
  イ

建築物の主要な構造部が次の(1)と(2)のどちらかに該当すること。
  (1)

耐火構造。
  (2)

建築物の主要な構造部の内、外壁については(i)または(ii)、それ以外の構造部については(i)に記載の政令で定められた技術的基準に適合するもの。
   (i)

構造部の役割や状況から使われている建築物で発生する恐れのある通常規模の火事にあっても、鎮火するまでその熱に耐えられること。
   (ii)

構造部が使われている建築物の周辺で通常規模の火事が発生し、それが燃え移りそうになっても、鎮火するまでその熱に耐えられること。
  ロ

外壁の開口部分から火事が燃え移ることがないように、防火戸を始めとする防火設備を設置する必要があります。

防火設備は、通常の火災にあっても、炎を遮るための性能が政令で定める技術的基準に適合することが必要で、国土交通大臣が定めた構造を用いるか、国土交通大臣の認定を受けることが必要です。

原文


 九の三

「準耐火建築物」とは…

「耐火建築物」ではない建築物で、次のイやロのいずれかに該当する建築物を指します。

さらに、外壁の開口部分から火事が燃え移ることがないように、前条ロと同等の防火戸を始めとする防火設備を設置する必要があります。
  イ

主要構造部を準耐火構造としたもの
  ロ

準耐火構造ではないものの、火災にあっても準耐火構造と同等の燃え広がり難さを実現できるように主要構造部に防火的な措置などを施していること。

具体的には、政令で定める技術的基準に適合する構造であることが必要です。

原文


 十

「設計」とは…

建築物の建築工事の実施するために必要な図面と仕様書を作成することを指します。

もともとは建築士法第二条第六項で規定されています。

原文


 十一

「工事監理者」とは…

図面通りの工事が行われているかどうかを図面と照らし合わせて確認をして、その責任を負う役割の人を指します。

 もともとは建築士法第二条第八項 に規定されています。

原文


 十二

「設計図書(せっけいずしょ)」とは…

 建築物や、その敷地、そして工作物の工事を行う際に必要な図面と仕様書のことを指します。

工作物について詳しくはこの法律の第八十八条第一項から第三項までに規定します。

なお工事用の図面について、現寸図やこれに類するものは設計図書から除外します。

原文


 十三

「建築」とは…

建築物を建てること…ですが、新築以外に、増築や改築そして移転することも含みます。

原文


 十四

「大規模の修繕」とは…

建築物の主要構造部である壁、柱、床、はり、屋根、階段のどれか一つ以上の部分を修繕する際に、元々の半分を超える部分に手を加えることを指します。

原文


 十五

「大規模の模様替」とは…

建築物の主要構造部である壁、柱、床、はり、屋根、階段のどれか一つ以上の部分を模様替えする際に、元々の半分を超える部分に手を加えることを指します。

原文


 十六

「建築主」とは…

建築物の工事を請け負ってくれるように注文をした人と、建築物の工事を誰にも任せずに自ら行う人を指します。

“註文”とは、現代表記では《注文》となります。
原文


 十七難文

「設計者」とは…

責任をもって設計図書を作成した人を指します。

建築士法第二十条の二第三項や建築士法第二十条の二第三項では、一級建築士は設計図書に自分の名前を記載することになっています。

建築物が、建築士法の構造関係や設備関係の規定に適合しているかを確認した構造設計一級建築士についても「設計者」に該当します。

詳しくは、建築士法第二十条の二第二項や第二十条の三第二項、第十条の二の二第四項、第十条の二の二第四項を参照してください。

原文


 十八

「工事施工者」とは…

建築物やその敷地に関わる工事を請け負った人を指します。

わざわざ請負契約を結ばなくても、自分から進んで工事を行う人も該当します。

一般的な建築物以外に、次のような工作物の工事も対象となります。
  • 政令で指定する煙突、広告塔、高架水槽、擁壁などのような工作物(第八十八条)
  • 政令で指定するエレベーター、ウォーターシュート、飛行塔などのような工作物(第八十八条)
  • 政令で指定する製造施設、貯蔵施設、遊戯施設等の工作物(第八十八条2)
  • 看板、広告塔、装飾塔などの工作物(第八十八条3)

原文


 十九

「都市計画」とは…

 都市計画法第四条第一項で規定する計画で、人口、土地利用、交通量などから判断して、重点的に整備や開発を進めるプランを指します。

原文


 二十

「都市計画区域と準都市計画区域」とは…

都市計画法第四条第二項で規定されている区域で、住居や工業のための地域として開発を進めるエリアを指します。

原文


 二十一

「地域」と「地区」には…

都市計画法第八条に記載されている次の地域と地区が該当します。
  • 第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域
  • 近隣商業地域・商業地域
  • 準工業地域・工業地域・工業専用地域
  • 特別用途地区・特定用途制限地域・特例容積率適用地区
  • 高層住居誘導地区・高度地区・高度利用地区
  • 特定街区・都市再生特別地区・特定用途誘導地区
  • 防火地域・準防火地域・特定防災街区整備地区
  • 景観地区

原文


 二十二

「地区計画」とは…

都市計画法第十二条の四第一項第一号 に記載されている、良好な環境の町並みを整備したりするための計画を指します。

原文


 二十三

「地区整備計画」とは…

都市計画法第十二条の五第二項第一号 に記載されている、そこに住む人達が利用する道路や公園などを整備する計画を指します。

原文


 二十四

「防災街区整備地区計画」とは…

都市計画法第十二条の四第一項第二号に記載されていて、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三十二条第一項に規定されている特定の防災上の機能を確保するための防災街区を整備するための地区計画を指します。

“特定建築物地区整備計画 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律”を《密集市街地整備法》と称します。
原文


 二十五

「特定建築物地区整備計画」とは…

密集市街地整備法第三十二条第二項第一号に記載されている区域と建築物などとが一体になって防災の機能を高めるためのプランを指します。

原文


 二十六

「防災街区整備地区整備計画」とは…

密集市街地整備法第三十二条第二項第二号に記載されている、地区防災施設の区域以外で、道路や公園などの整備をどのように行うかを決めたプランを指します。

原文


 二十七

「歴史的風致維持向上地区計画」とは…

都市計画法第十二条の四第一項第三号に記載されていて、地域歴史的風致法第三十一条第一項に規定されている、歴史的な価値とその地区の発展とをバランス良く両立させるために整備や開発をどのように行うかの方針をまとめたプランを指します。

“歴史的風致維持向上地区整備計画 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律”を《地域歴史的風致法》と称します。
原文


 二十八

「歴史的風致維持向上地区整備計画」とは…

地域歴史的風致法第三十一条第二項第一号 に規定されている、歴史的風致維持向上地区計画によって道路や公園などを具体的にどのようにまとめるのかをまとめたプランを指します。

原文


 二十九

「沿道地区計画」とは…

都市計画法第十二条の四第一項第四号に記載されていて、沿道整備法第五条第一項に規定されている、都市計画として農業と生活を両立できるように整備する計画

“幹線道路の沿道の整備に関する法律”を《沿道整備法》と称します。
原文


 三十

「沿道地区整備計画」とは

沿道整備法第九条第二項第一号 に記載されている、沿道に緑地や建築物などを整備する計画を指します。

原文


 三十一

「集落地区計画」とは

都市計画法第十二条の四第一項第五号に記載されていて、集落地域整備法に規定されている、農業を振興するためにふさわしい居住環境を整備するためのプランを指します。

原文


 三十二

「集落地区整備計画」とは

集落地域整備法第五条第三項に規定されている、そこの地域の居住者のための道路や公園、建築物などを整備するプランを指します。

原文


 三十三

「地区計画等」とは

都市計画法第四条第九項に規定されていて、都市計画法第十二条の四で都市計画として定める区域一帯の建築物や公共施設を整備するプランを指します。

原文


 三十四

「プログラム」とは…

コンピューターで使うプログラムのことです。

原文

 三十五

「特定行政庁」とは…

建築主事と呼ばれるポストの役人がいて建築に関する決済権がある役所の長のことで、市町村単位で建築主事のポストが設置されている場合はその市町村長を指し、建築主事のポストが設置されていない市町村の場合はその都道府県の知事を指します。

原文


(建築基準法の適用除外)
第三条

建築基準法といえども、以下の建築物に対しては適用されません。
原文


 一

文化財保護法で、国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物に指定されたか、仮指定された建築物。
原文


 二

旧重要美術品等の保存に関する法律の規定によって重要美術品等として認定された建築物。
原文


 三

地方が独自に重要な文化財であると判断して、保存することを条例で定めた建築物。

これを定める条例は文化財保護法第百八十二条第二項に基いて判断され、建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定する必要があります。
条例で保存すると定める建築物には、重要文化財、重要無形文化財、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財、史跡名勝天然記念物は対象となりません。
“条例で保存すると定める建築物”のことを《保存建築物》といいます。
原文


 四

建築審査会の同意を得て、特定行政庁が認めた、第一項や第二項に該当するような文化的に重要で保存が必要な建築物をそっくりそのまま再現した建築物
原文


2

命令や条例を含む建築基準法がらみの規制は、それらが施行されたり、実際に適用する段階で建築前の建築物に対して適用するものとします。

すでに建っている建築物や、修繕や模様替えの工事をしている最中の建築物が建築法がらみで適合とならない場合はお目こぼしとなります。

建築基準法がらみで適合とならない建築物が建っている敷地や、適合とならない敷地に建っている建築物についてもお目こぼしとなります。
原文


3

いくらすでに建っているからといっても、以下のどれか一つでも該当する場合は、違法となるので然るべき対応をしなければなりません。
原文


 一

建築基準法がらみの法令が改正や別の法定に置き換わって違反となった場合でも、元々の規定にも違反していた建築物やその敷地。
原文


 二難文

以下の指定や決定、あるいは法律の変更のために違反となった場合でも、元々の指定や法律にも違反していた建築物やその敷地。

  • 都市計画区域や準都市計画区域の指定

  • 都市計画の用途地域の指定
    • 第一種低層住居専用地域
    • 第二種低層住居専用地域
    • 第一種中高層住居専用地域
    • 第二種中高層住居専用地域
    • 第一種住居地域
    • 第二種住居地域
    • 準住居地域
    • 近隣商業地域
    • 商業地域
    • 準工業地域
    • 工業地域
    • 工業専用地域

  • 都市計画の防火地域や準防火地域の指定や決定

  • 以下の法律で指定されたり取り消されたりする区域
    • 第四十二条第一項
    • 第五十二条第二項第二号、第三号、第八項
    • 第五十六条第一項第二号イ
    • 別表第三備考三の号

  • 以下の法律で決定したり変更される数値
    • 第五十二条第一項第七号、第二項第三号、第八項
    • 第五十三条第一項第六号
    • 第五十六条第一項第二号ニ
    • 別表第三(に)欄の五

  • 以下の法律で規定される建築物やその敷地に対する制限
    • 第四十三条第一項
    • 第四十八条第一項から第十三項
    • 第五十二条第一項、第二項、第七項、第八項
    • 第五十三条第一項から第三項
    • 第五十四条第一項
    • 第五十五条第一項
    • 第五十六条第一項
    • 第五十六条の二第一項
    • 第六十一条若しくは第六十二条

  • 以下の法律で規定される制限に変更があった場合でも元々の法律の規定に違反する建築物や敷地
    • 第四十三条第二項
    • 第四十三条の二
    • 第四十九条から第五十条
    • 第六十八条の九の規定に基づく条例
原文


 三

建築基準法がらみに違反することがわかった後に増築や改築、移転、大規模な修繕や模様替えの工事に取り掛かった建築物やその敷地
原文


 四

部分的であっても前号に該当している建築物の一部やその敷地の一部
原文


 五

建築基準法がらみの法令に、もともと適合していなかった建築物やその敷地
原文


(建築主事は)
第四条

建築主事は、政令で指定する人口二十五万人以上の市には必ずそのポストが置かれます。

市長の指揮監督を受けて、第六条第一項の規定による建築予定のプランが建築基準法がらみやその他の関連法令に適合しているかどうのか確認に関わる業務をつかさどります。
原文


2

建築主事は、人口二十五万人未満の市や町村でもそのポストを置くことは可能です。

その場合も、市町村長の指揮監督を受けて、第六条第一項の規定による建築予定のプランが建築基準法がらみやその他の関連法令に適合しているかどうのか確認に関わる業務をつかさどります。
原文


3

市町村の判断で建築主事を置く場合、事前に都道府県知事に協議をしておく必要があります。
原文


4

都道府県知事の協議を経て、建築主事を置くことが決まったら、実際に建築主事を置く三十日前までに公示をすることと、その市町村長から都道府県知事に通知をする必要があります。
原文


5

建築主事が置かれていない市町村には、第六条第一項の規定による建築予定のプランが建築基準法がらみやその他の関連法令に適合しているかどうのか確認に関わる業務をつかさどるために、都道府県知事の直轄による指揮監督を受ける建築主事が置かれることになります。
原文


6

建築主事は、市町村または都道府県知事の職員で、《建築基準適合判定資格者検定》に合格して国土交通大臣の登録を受けた人を対象に、その市町村長か都道府県知事に任命されます。
原文


7

大きな街の場合、建築主事の手がまわらなくなることがないように、テリトリーを分けてそれぞれのテリトリーを担当する建築主事のポストを置くことができます。
原文


(建築基準適合判定資格者検定)
第五条

建築物を建てたり修繕しようとするための設計が建築基準法がらみの法令に適合しているのかを判定するために、必要な知識や経験を身に着けているかどうかを《建築基準適合判定資格者検定》で判定します。
原文

2

《建築基準適合判定資格者検定》は、国土交通大臣の名の下に実施されます。
原文

3

《建築基準適合判定資格者検定》を受験できるのは、一級建築士試験の合格者だけが対象です。

その上に、建築行政に二年以上の実務経験があるか、政令で定められた建築物の確認検査(第七十七条の十八第一項)などの業務に二年以上の実務経験も必要です。
原文

4

国土交通省内に《建築基準適合判定資格者検定委員》というポストを設置して、《建築基準適合判定資格者検定》に関わる業務を行います。
原文

5

《建築基準適合判定資格者検定委員》のポストに就けるのは建築と行政に関する学識経験者で、国土交通大臣に任命されます。
原文

6

《建築基準適合判定資格者検定》は国土交通大臣が受験資格や合否の結果を監理するので、不正受験をしようとしたら検定は受けられなくなります。

また、不正受験によって合格しても、合格は取り消しとなります。
原文

7

不正をしたために受験を禁止された人に対しても、事情によっては国土交通大臣の裁量で受験禁止の期間を最長二年以内に限る、としてもらえる場合があります。
原文

8

ここまでに規定していること以外で、手続きや合格基準など《建築基準適合判定資格者検定》に関して必要なことは、政令で定めます。
原文


(資格者検定を任せる機関)
第五条の二

《建築基準適合判定》を行う資格があるかどうかの検定を行うために必要な業務のことを《建築基準適合判定資格者検定事務》といいます。

国土交通大臣に代わって検定業者を決める場合、第七十七条の二から第七十七条の五の規定に従う必要があります。

これらの規定に従って決められた検定業者のことを《指定建築基準適合判定資格者検定機関》といいます。
2

《指定建築基準適合判定資格者検定機関》では、不正受験者の合格を取り消したり、不正受験をしようとした人の受験資格を取り消すことができます。
3

《指定建築基準適合判定資格者検定機関》を指定したら、資格者検定から国土交通大臣は手を引きます。
原文

(建築基準適合判定資格者検定の受験料)
第五条の三

建築基準適合判定資格者検定を受験するには、受験料を試験を実施する国または指定建築基準適合判定資格者検定機関に納める必要があります。

細かいことは政令で定めますが、この受験料は原則として試験の実費に相当する金額ということになります。

なお、市町村や都道府県の職員が職務で建築基準適合判定資格者検定を受ける場合は受験料を納める必要がありません。
2

支払われた受験料は、指定建築基準適合判定資格者検定機関の収入となります。
原文

(《構造計算適合判定資格者検定》とは)
第五条の四

“建築物の設計プランが適切な構造かどうかを判定すること”を《構造計算適合判定》といいます。

“《構造計算適合判定》を行うために必要な知識や経験を身に着けている人”を《構造計算適合判定資格者》といいます。

“《構造計算適合判定資格者》としての資格があるかどうかを検定する制度”のことを《構造計算適合判定資格者検定》といいます。
2

《構造計算適合判定資格者検定》は国土交通大臣によって実施されます。
3

《構造計算適合判定資格者検定》の受験資格は、一級建築士試験に合格していることと、建築物の構造計算適合性判定に関する政令で定められた業務の実務をご年以上経験していることが必要です。
4

《構造計算適合判定資格者検定》を運営するため、国土交通省内に《構造計算適合判定資格者検定委員》というポストを設置します。

指定構造計算適合判定資格者検定機関に検定業務を任せてしまう場合は、国土交通省内に検定委員のポストを置く必要はありません。
5

国土交通大臣から構造計算適合判定資格者検定を任されるわけなので、合格の取り消しや受験資格や受験禁止期間の設定を監理します。

またこれら以外で必要なことは、政令で定めます。
原文

(《構造計算適合判定資格者検定業務》を任せるには)
第五条の五難文

第七十七条の十七の二第一項と第二項に則って《指定構造計算適合判定資格者検定機関》として認められたら、国土交通大臣から《指定構造計算適合判定資格者検定機関》を実際に任されることになります。
2難文

《指定構造計算適合判定資格者検定機関》でも、不正受験者の合格を取り消したり、不正受験をしようとした人の受験資格を取り消すことができます。(第五条の二第二項の準用)

《指定構造計算適合判定資格者検定機関》でも、支払われた受験料は機関の収入となります。(第五条の三第二項の準用)

《構造計算適合判定資格者検定》の業務を行う機関を指定したら、国土交通大臣は検定から手を引きます。(第五条の二第三項の準用)

《構造計算適合判定資格者検定》を受験するには受験料を納めることが必要で、都道府県や市町村の職員であっても受験料を支払うことが必要です。(第五条の三第一項の準用)
原文

(建築士だけに認められる仕事)
第五条の六

次の法令や条例に該当する建築物の工事は、それぞれの条文に該当する資格を持つ建築士が設計しなければなりません。
  • 一級建築士に限られる建築物(建築士法第三条第一項と第二項)
  • 一級または二級建築士に限られる建築物(建築士法第三条の二第一項)
  • 一級建築士、二級建築士または木造建築士に限られる建築物(建築士法第三条の三第一項)
  • 条例で区域や用途を限られた建築物(建築士法第三条の二第三項)
2

構造計算が必要な建築物は、構造設計一級建築士が構造設計をして安全性を確かめるか、構造設計一級建築士が構造関係規定に適合することを確認した構造設計図書を使わなければ、工事をしてはなりません。
3

各階平面図と構造詳細図などの建築設備に関する設計図書に基づく建築物は、設備設計一級建築士が設備の設計を行うか、設備設計一級建築士が設備関係規定に適合していることを確認しなければ、工事を行うことは認められません。
4

建築主が建築工事をする場合は、次の資格を持つ建築士に工事監理を任せなければなりません。

工事監理者になれる資格を持つのは、以下に該当する建築士です。
  • 一級建築士に限られる建築物(建築士法第三条第一項 )
  • 一級または二級建築士に限られる建築物(建築士法第三条の二第一項)
  • 一級建築士、二級建築士または木造建築士に限られる建築物(建築士法第三条の三第一項)
  • 条例で区域や用途を限られた建築物の建築士(建築士法第三条の二第三項)
5

資格のある建築士が工事監理をしていない工事は行ってはなりません。
建築士法第二条第七項で“各階平面図と構造詳細図などの建築設備に関する設計図書”のことを《設備設計図書》と定めています。
原文
(建築確認を受けて確認済証を発行してもらう)
第六条難文

次の第一号から第四号に該当する建築物を建築する場合は、着工までに建築基準法がらみの規定に適合していることを確認するため必要な申請書を提出して、建築主事の確認を受け、確認済証を発行してもらう必要があります。

これは建築工事の発注者に課せられた義務です。

次の第一号から第三号に該当する大規模修繕や大規模な模様替えをする場合も同様に確認済証を発行してもらう必要があります。

増築して第一号から第三号に該当することになる場合も同様に確認済証を発行してもらう必要があります。

建築確認を受けた後に計画が変更になった場合でも、上記と同様に該当する場合は、改めて確認済証を発行してもらう必要があります。

ただし、あまり重大ではないとして国土交通省令で認められている簡単な変更については、改めて確認済証を発行してもらうまでには及びません。
原文

建築基準法がらみとして建築基準法とこれに基づく命令や条例のことを《建築基準法令の規定》といいます。

次の別表の用途に使われる床面積の合計が100㎡を超える特殊建築物
原文

    別表
    1. 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など
    2. 病院、患者の収容施設がある診療所、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎など
    3. 学校、体育館など
    4. 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場など
    5. 倉庫など
    6. 自動車車庫、自動車修理工場など
    ※上記の用途は政令の指定が必要

床面積に関わらず、三階建以上の木造建築物

階数に関わらず、延面積が500㎡を超えて、高さが13mを超えるか軒の高さが9mを超える木造建築物
原文


二階建以上の木造以外の建築物

延べ面積が200㎡を超える木造以外の建築物
原文


次の区域内にあり、前三項に該当しない建築物
  • 都市計画区域
  • 準都市計画区域
  • (これらの区域で、都道府県都市計画審議会の意見を聴いて都道府県知事が指定した区域は対象外です。)
  • 景観法第七十四条第一項により準景観地区として指定された区域
  • (市町村長が準景観地区として指定した区域は対象外です。)
  • 都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定した区域
  • (区域の一部のみを指定した場合も対象となります。)
原文

2

次の全てにあてはまる場合は建築の確認申請を必要としません。
  • 現場が防火地域または準防火地域に該当しない場合
  • 建築物の増築、改築または移転の場合
  • 工事をする部分の床面積が合計して10㎡以内の場合
原文

3

建築確認の申請に次のような不備があったら、建築主事に受理してもらえません。
原文


建築基準法の以下の条項に違反している場合
  • (第三条第一項)
  • (第三条の二第一項)
  • (第三条の二第一項)
  • (第二十条の二第一項)
  • (第二十条の三第一項)
  • (第三条の二第三項 の規定に基づく条例)
原文


構造設計一級を持たない一級建築士が行った構造設計について、適合しているかどうかの確認を構造設計一級建築士にしていない場合
原文


設備設計一級を持たない一級建築士が行った設備設計について、適合しているかどうかの確認を設備設計一級建築士にしていない場合
原文

4

建築確認の申請が出されたら、特殊建築物かどうか(第一項)、木造で一定の高さがあるのか(第二項)、木造以外で二階建て以上かどうか(第三項)については35日以内に建築基準法がらみで適合かどうかの審査が行われます。

第一項から第三項以外の建築物で都市計画区域などの建築物として確認申請が出された場合は7日以内に審査が行われます。

適合と認められた場合は、建築主事から確認済証を交付してもらえます。
原文

5

建築物の計画に構造計算適合性判定が必要な場合、建築確認の申請とともに建築主からの《適合判定通知書》も提出しなければ、建築主事に申請を受理して確認をしてもらうことができません。

《適合判定通知書》について詳しくは第六条の三第一項に規定があります。
原文

6

構造計算や安全性などに関わる特定構造計算基準に適合するかどうかについての確認申請や、特別に国土交通省令で定められた確認申請のケースで、やむを得ない事情によって決められた期限までに確認済証が交付できない場合は、最大で35日間まで期間を延長される場合があります。

期間延長となった場合は元々の期限までに通知書を発行して、期間が延長となったことと、延長の期間と理由を発行した人に伝える必要があります。
原文

7

申請をした建築計画が、建築基準がらみの規定に適合していないと建築主事に判断された場合は、本来の期限までに「適合していない」ことと、その理由が通知されます。

申請をした建築計画が、建築基準がらみの規定に適合しているのかいないのかが建築主事にも判断できない場合は、本来の期限までに「適合しているか判断できない」ことと。その理由が通知されます。
原文

8

建築主事から確認済証が交付sれるまで、建築工事や大規模修繕あるいは大規模な模様替えに関する工事を始めることは許されません。
原文

9

具体的にどのように確認申請書や確認済証、あるいは建築主事からの通知書の書き方は、国土交通省令で定めます。
原文



(《指定確認検査機関》とは)
第六条の二

建築主事による建築確認とは別に、国土交通大臣や都道府県知事によって指定を受けた機関も、建築基準法がらみの規定に照らして適合する建築計画であるとの確認をしてもらうことができます。

《指定確認検査機関》から建築主事から発行されるものと同じ効力のある確認済証を受けることもできます。

《指定確認検査機関》については、第七十七条の十八から七十七条の二十一までの条文に規定があります。
原文

2

《指定確認検査機関》に関して、ある都道府県の中だけで業務を行う場合はその都道府県の知事が指定します。

二つ以上の都道府県にまたがって業務を行う場合は国土交通大臣が指定します。
原文

3

《指定確認検査機関》に構造計算適合性判定が必要な確認申請を依頼する場合、建築主から適合判定通知書かそのコピーを添付する必要があります。
原文

4

申請をした建築計画が、建築基準がらみの規定に適合していないと《指定確認検査機関》に判断された場合や、申請をした建築計画が、建築基準がらみの規定に適合しているのかいないのかが判断できない場合は、本来の期限までに「適合しているか判断できない」ことと。その理由が通知されます。
原文

5

《指定確認検査機関》が確認済証を発行した場合、国土交通省令にしたがって、期限内に、確認審査報告書を作成し、確認した建築物の計画に関する指定書類をそえて、特定行政庁に提出する必要があります。
原文

6

《指定確認検査機関》から提出された確認審査報告書をチェックして、特性行政庁がその計画は建築基準法がらみの規定に適合しないと判断したら、提出した人とその建築主に、適合していないことを通知をします。

特定行政庁が適合しないと判断したわけですから、その確認済証は無効になります。
原文

7

確認審査報告書のチェックにより適合しないと判断された場合、状況によっては特定行政庁から工事の中止や撤去(第九条第一項)、あるいは緊急の停止(第十項)を命じられることもあります。
原文



(構造計算適合性判定)
第六条の三超難文

【かみくだし不能】
原文

2

建築確認をする建築主事は、その案件の構造計算適合性判定の事務とをかけもちしてはなりません。

これは都道府県知事が責任をもって別々にやらせなければなりません。
原文

3

特別な構造や変わった建て方をする建築物の計画に対する構造計算適合性判定をする必要がある場合は、構造計算の専門家に意見を求めてください。

これは都道府県知事が責任をもって意見を聞くように指示をしなければなりません。
原文

4

構造計算適合性判定を申請して受理されたら、都道府県知事から十四日以内にその結果を記した通知書が発行されます。
原文

5

構造計算適合性判定を申請して受理されたら、都道府県知事から十四日以内にその結果を記した通知書が発行できない場合は最大で35日まで遅らされることがあります。

その場合でも、期限と理由が記載された遅延の通知書が申請者に発行されます。

ここで遅延の通知書の発行の対象となる申請とは、政令の基準に従つた構造計算やプログラムによつて安全性が確かめられた木造三階建て以上の建物などに対する特定構造計算基準に適合するかどうかの判定の部分に限られます。
原文

6

構造計算適合性判定を申請して受理されたにもかかわらず、都道府県知事側でも特定構造計算基準や特定増改築構造計算基準に適合するのかどうかを判断できないことがあります。

その場合には、適合や遅延の通知がされる予定の期限までに、判断できない理由が記載された決定の通知書が申請者に発行されます。
原文

7

特定構造計算基準や特定増改築構造計算基準に適合しているという通知書をもらったら、建築確認を担当する建築主事にその通知書かそのコピーを提出してください。

とはいえその計画が建築基準がらみの規定に適合していないと判定されていた場合(第六条第七項または第六条の二第四項)は通知書の提出にはおよびません。
原文

8

建築確認を担当する建築主事に特定構造計算基準の適合に関する通知書の提出は、第六条第四項に建築許可申請の回答期限期限が35日とか7日とかと決められていますので、少なくともその期限の三日前を期限とします。
原文

9

構造計算適合性判定の申請書やその回答となる通知書の書き方は国土交通省令で決められていますので、それに従ってください。
原文



(認定を受けた建築物などの確認申請)
第六条の四難文

次の一から三に該当する建築物の建築申請をする際には政令によって緩和されている場合があります。
 一

型式適合認定を受けた建築材料を使って建てられた建築物。

型式適合認定については第六十八条の十第一項で規定されています。
 二

型式適合認定を受けた材料でパーツが構成されている建築物。

都市計画区域内にあって、特殊建物や三階建て以上の建物などで、建築士が設計に携わった建物
2

腕のいい建築士による建築確認の場合や、建築を行う敷地にリスクが考えにくい場合、建物の構造や用途的にリスクが低い場合は、それに応じて建築主事による審査は必要ないことにします。

とはいえ、建築物の安全面・防災面・衛生面での支障がないような規定は政令で定めておく必要があります。
原文
(完成したら完了検査)
第七条

建築申請をした建築物の工事が全て完了したら、建築主事による完了検査を受けるための申請をしてください。

完了検査のやり方は国土交通省令で規定します。
2

完了審査は工事が完了してから四日以内に建築主事まで届け出てください。

とはいえ、国土交通省令で定められているやむを得ない事情があれば、申請の遅れも許される場合があります。
3

もちろんそのやむを得ない事情が解消したら、やはり四日以内に建築主事まで完了審査を受ける届け出をしてください。
4

完了検査の申請を受け取った建築主事側の立場の人は、それから七日以内に建築基準法がらみでちゃんと建築が行われているのかを検査する必要があります。
5

建築主事側から適法ですと認めてもらえたら、国土交通省令にしたがって検査済証を発行してもらえます。
原文

(指定確認検査機関に完了検査を受けるには)
第七条の二難文

指定確認検査機関に依頼して完了検査を受けることもできます。

その場合も、工事が完了してから四日以内に建築主事まで届け出てください。
2

拠点を置く都道府県以外でも業務を行うつもりなら国土交通大臣から指定確認検査機関として指定を受ける必要があります。

そのつもりがなければ拠点を置く都道府県の知事から指定を受ければOKです。
3

指定確認検査機関に完了検査を依頼したら、指定確認検査機関から完了検査を引き受けた旨がわかる書類をもらえます。

同時に建築主事のところには指定確認検査機関から完了検査を引き受けたことに対する通知が行くことになっています。
4

指定確認検査機関に完了検査の依頼をしたら、工事が完了してから七日以内に検査を受けることができます。

ただし工事の完了後に検査を依頼した場合は、依頼した日から七日以内に検査を受けることができます。
5

指定確認検査機関に完了検査を依頼して、適合してると認めてくれたら、建築主事が発行するのと同じ効力のある検査済証を発行してもらえます。

検査済証の発行は国土交通省令にしたがって行われます。
6

指定確認検査機関が完了検査を行った場合、国土交通省令に従って期限までに完了検査報告書と検査対象に関する所定の書類を特定行政庁に提出する必要があります。
7

指定確認検査機関の判断を問わず、完了検査報告書を受け取った特定行政庁が適合と認めない場合、手遅れになる前に工事をやり直させたり、建物の使用禁止などを命じることになります。
原文

(工事の途中でも検査)
第七条の三

次の各号に該当する工事の工程ことを《特定工程》といいます。

《特定工程》が含まれる工事を行った場合は、その工程が終わる度に建築主事に検査を受ける必要があります。

この検査は国土交通省令にしたがって行ってください。
 一

三階建て以上の共同住宅の床と梁に鉄筋を入れる工事における政令で指定した工程
 二

地方特有の建築事情や、工事を行うための環境などを考慮して、区域や期間を限つて特定行政庁が指定する工程や、建築物の構造や用途、規模を限つて特定行政庁が指定する工程
2

中間検査は、国土交通省令で認められているやむを得ない理由が無い限り、《特定工程》が終わった日から四日以内に建築主事の所に申請してください。
3

前項のやむを得ない理由にあたる状況がなくなった時には、その日から四日以内に建築主事の所に申請してください。
4

中間検査の申請が受理されたら、その日から四日以内に工事が行われた箇所が建築基準がらみで適合しているかどうかを建築主事に検査されます。
5

検査の結果、適合と認められたら、国土交通省令にしたがって建築主事から中間検査合格書が交付されます。
6

《特定工程》を指定した政令には工程が終わった次に行う工程を定めています。

また特定行政庁が指定した工程にもその次に行う工程を定めています。

第十八条第二十二項では、これらの工程のことを《特定工程後の工程》と呼んでいますが、この工程へと進めるためには必ず中間検査を受けて、合格証の交付を受ける必要があります。
7

建築主事や指定確認検査機関が工事中の建築物などに対して中間検査で建築基準法がらみで適合と認められたら、次の規定の検査を受ける際に中間検査で確認を受けた部分について二重に検査を受ける必要はありません。
  • 建築主事による完了検査(第七条第四項)
  • 指定確認検査機関による完了検査(第七条の二第四項)
  • 指定確認検査機関による中間検査(第七条の四第一項)
8

特定行政庁が《特定工程》を指定した際の公示の方法など細かいことは、国土交通省令で決めておきます。
“特定工事の工程が終わる度に建築主事に受ける検査”のことを《中間検査》といいます。
原文

(指定確認検査機関に中間検査を受けるには)
第七条の四

指定確認検査機関に特定工程を含む工事に対する中間検査を依頼することができます。

中間検査は、建築主事に依頼する場合と同じように、特定工程の部分まで進捗した日から四日以内に検査を依頼して、そこまでで建築基準法がらみで適合しているかどうかの検査を受ける必要があります。
2

指定確認検査機関に中間検査を依頼したら、指定確認検査機関から中間検査を引き受けた旨がわかる書類をもらえます。

同時に建築主事のところには指定確認検査機関から中間検査を引き受けたことに対する通知が行くことになっています。
3

指定確認検査機関に中間検査を依頼して、適合してると認めてくれたら、中間検査合格証を発行してもらえます。

合格証の発行は国土交通省令にしたがって行われます。
4

指定確認検査機関が発行した中間検査合格証には、建築主事が発行するのと同じ効力があります。
5

中間検査を受けたところは完了検査などでもう一度検査を受けなくても済むという第七条の三第七項の規定は指定確認検査機関が中間検査を行った場合でも同じように適用することができます。
6

指定確認検査機関が中間検査を行った場合、国土交通省令に従って、期限内に中間検査報告書を作成して特定行政庁に提出しなければなりません。

中間検査報告書には、検査をした工事に関する国土交通省令の定めによる書類も添える必要があります。
7

中間検査報告書を受け取った特定行政庁が、工事を行った建物は建築基準法がらみに適合しないと判断したら、手遅れにならないように工事の是正措置、建築物の使用中止などの措置を命じることになります。

これらの措置について詳しくは第九条第一項や第十項を参照してください。
原文

(緩和された建築物の規定)
第七条の五難文

政令によって規制が緩和された建築物を建築する工事や、大規模の修繕、大規模の模様替に対する完了検査や中間検査に関する規定に関して、条文の中にある「建築基準関係規定」とは、「建築検査に関する建築基準関係規定」と読み替えてください。
原文

(確認済証を受けるまで)
第七条の六

建築確認申請をして建築物を新築する場合は、完了検査を受けて検査済証が発行されるまでその建築物を使ってはなりません。

もちろんその建築物を他人に使わせることもできません。

政令で定める非常に簡単な工事に該当するものをのぞき、新築に限らず、共同住宅や人が生活する居室を有する建築物で次のような工事を行う場合でも、完了検査を受けて検査済証が発行されるまでその建築物自体、または工事の内容によっては工事に該当する部分を使ってはなりません。

  • 増築・改築・移転工事・大規模な修繕工事
  • 大規模な模様替えで次に該当する工事
    • 廊下、階段、出入口その他の避難施設の工事
    • 消火栓、スプリンクラーその他の消火設備の工事
    • 排煙設備、非常用の照明装置、非常用の昇降機の工事
    • 防火区画について政令で定めるものに関する工事

上記の大規模な模様替えに該当する工事のことを《避難施設等に関する工事》といいます。

とはいえ、次の場合であれば、ここを使用することができます。
 一

特定行政庁に、工事が終わっていなくても安全面や防災面あるいは避難をする上で支障はないと認めてもらった場合
 二

国土交通大臣が定める基準に適合していると建築主事や指定確認検査機関からお墨付きをもらった上で、工事が終わっていなくても安全面や防災面あるいは避難をする上で支障はないと認めてもらった場合
 三

完了検査の申請が受理されたのに、建築主事や指定確認検査機関の事情で完了済証がもらえない場合は、申請が受理されてから七日以上経過した場合
2

新築や《避難施設等に関する工事》の完了検査を受けるための申請手続きなどについて詳しいことは国土交通省令で定めます。
3

指定確認検査機関が、工事が完了前でも安全や防災面そして避難をする上で支障はないと認めた場合、その工事に関する資料を添えて仮使用認定報告書を特定行政庁に提出してください。
4

指定確認検査機関から届け出された仮使用認定報告書をチェックしたところ、建築基準法がらみで適合しないと判断したら特定行政庁から検査機関に差し戻しされます。

差し戻しされると、仮使用の認定は取り消しになります。
原文
(オーナーならしなければならないこと)
第八条

建築物のオーナーは、建築物の敷地や、建物の構造体、あるいは建築設備に対してどんな時でも適法な状態にしておくように、努めなければなりません。

建築物の管理者や、オーナーの代わりに建築物を使っている人がいたらその人たちも、同じ義務を負っています。
2

特に大勢の人が利用する建築物のオーナーや建築物などを適法に維持するために、場合によってはルールやプランを設定するなど、必要な措置を講じる責任があります。

ルールやプランを決めるにあたり、必要な指針は国土交通大臣が定めます。
原文
(違反してたら)
第九条

建築基準法がらみに違反したり、建築許可につけた条件に違反した建築物やその敷地があれば、特定行政庁から次のような関係者に工事中止などの強い措置が命じられることがあります。

  • 建築主
  • 工事の請負業者やその下請け業者
  • 現場の管理者
  • 建築物やその敷地の所有者
  • 建築物やその敷地の管理者や占有者

工事の中止まで行かない場合でも、期限付きでその建物を解体して除去させたり、移転、改築、増築、修繕、模様替えをさせたり、建築物の使用の禁止や制限をしたり、現状を是正するようにちゃんと措置しなさい、と命じることもできます。
原文

2

たとえ適法とはいえない建築物であったとしても、いきなり解体しろとか、工事をやめろと特定行政庁から命じられるわけではありません。

少なくとも、どんな内容の命令を受けることになるのか、その理由とともに事前に建築物の関係者に通知書が送られ、一定期間内であれば命令に対する関係者や代理人の意見書の返信ができることや、自分にとって有利な証拠を提出する機会も与えられます。
原文

3

意見書を返信する代わりに、特定行政庁から通知があった日から三日以内に公開の場で自分の意見を聞いてもらう機会を設けて欲しいと要望をだすことも可能です。
原文

4

特定行政庁への要望が届いたら、建築物の関係者の出席する公開の場で意見を述べる機会が設けられます。
原文

5

建築物の関係者が意見を述べる機会が開かれる場合、特定行政庁からどのような措置に対する意見陳述が開かれるのかと、その期日と場所をその二日前までに関係者に通知して、公告も行われます。
原文

6

建築物の関係者は、意見陳述の場で、証人を出席させたり、自分に有利な証拠を提出することができます。
原文

7

緊急の必要がある場合に限り、関係者への手順をふまずに、仮の使用禁止や仮の使用制限を命令されることがあります。
原文

8

緊急で建築物の仮使用禁止や仮使用制限などの命令を受けたら、その日から三日以内に限り、公開で意見聴取の実施を特定行政庁に請求することができます。

この場合も、関係者の出席する公開の場で意見を述べる機会が設けられ(第四項)、その期日と場所をその二日前までに関係者に通知され(第五項)、証人を出席させたり、自分に有利な証拠を提出する(第六項)ことができます。
原文

9

意見聴取を行っても、やっぱり仮の命令をすることが適当だということになったら、正式な命令に切り替わります。

意見徴収を行ったら、やっぱり仮の命令をすることは不適当だということになったら、その命令は取り消されます。
原文

10

建築基準法絡みに違反して建築などの工事をしようとしていたら、緊急の場合で工事停止の命令がおぼつかなければ、それらの対応を省略して工事の停止を命じられることになります。

命令の対象になるのは、建築主や工事を請け負った業者、工事現場の監理をしている人が対象となります。

もし現場に命令の対象となる人がいなければ、現場で働く人に直接作業を中止するように命令できます。
原文

11

工事中止などの措置を命じる相手がどうしても確認できず、かといってこのまま違反している建築物を放置してはマズイことになりそうだ、という場合は、ひとまず特定行政庁が工事中止のための措置を行うことができます。

とはいえ、その場合の費用はもちろん、本来工事中止の措置を行うべき人が負担しなければなりません。

また、特定行政庁が直接工事中止の措置を行わないまでも、特定行政庁から任された業者に措置を行わせることもできます。

もし特定行政庁側で工事中止の措置を行うことになったら、その措置に着手する前に次の内容を公告する必要があります。
  • 工事中止の命令が出ているので、建築物の関係者は工事中止の措置を行う必要があること
  • 決められた期限までに関係者が工事中止の措置を取らない場合は、特定行政庁側で工事中止の措置を行うことになること
原文

12

工事中止などの措置が命じられたのに、建築物の関係者がその命令に従わない場合は、行政代執行法に従って特定行政庁がその措置を行うことができます。

関係者が命令に従ったようなふりをして、十分に措置を完遂させなかったり、期日に間に合わせる気がない場合も、特定行政庁がその措置を行うことができます。

また、特定行政庁自らが措置を行わなくても、業者らに代行して措置を行わせることもできます。
原文

13

建築基準法がらみの違反のために手順をふんで工事中止などの命令をしたり、緊急性が高いためいきなり工事中止の命令を出した場合、現地でどのようなことになったのかがすぐわかるように標識を立てたり、国土交通省令で決められた方法で内容を公示する必要があります。
原文

14

命令を受けた敷地や建物に標識を立てることに対して、建物や敷地の所有者や管理者あるいはその占有者は設置を拒否したり、邪魔をしてはなりません。
原文

15

行政手続法第三章には、対象者にとって不利益な処分を受ける場合の細かな規定が決められていますが、建築基準法がらみに違反して工事中止の命令などに対してはこの規定の通りに対処する必要はありません。
原文



(地方の職員に緊急の監視を)
第九条の二

特定行政庁では、担当する市町村や都道府県の職員の中から建築監視員を任命したり、緊急な場合の工事の仮停止命令(第九条第七項)や緊急の工事中止命令を出す業務を任せる場合があります。
緊急性のある建築基準法違反を監視して必要な緊急の命令を出す権限を与えられた役職を《建築監視員》といいます。
原文

(違反した業者はそれぞれの法律に従って)
第九条の三

建築基準法がらみの違反をして工事中止などの命令を受けるような業者に対しては、その業者を取り仕切る法律に従って特定行政庁から監督官庁である国土交通大臣や都道府県知事に通知されます。

これに関わる業者とこれを取り仕切る法律は次の通りです。
  • 建築物の設計者:建築士法
  • 工事監理者や工事の請負人と下請け業者:建築士法、建設業法
  • 宅地建物取引業者:宅地建物取引業法
  • 浄化槽の製造業者:浄化槽法
2

工事停止の命令が出るような建築基準法の違反があったと通知を受けた国土交通大臣や都道府県知事は、その業者を取り仕切りる法律に従って免許や許可を取り消したり、業務停止の処分を下したり、その他の必要な処分をします。

これらの処分を下したら、通知をした特定行政庁にちゃんと処分をしたことが通知されます。
原文
(壊れそうな建築物に対して)
第十条

構造体が傷んだり腐ったりして、そのうちに壊れて危険な建築物のオーナー側の人たちには、特定行政庁から所定の期間内に何とかするようにとの勧告を受けることになります。
2

勧告しても、ちゃんとした理由もなくまともに対応しようとしない場合で、早めの対応が必要だと考えられる場合は、所定の期間内に何とかするようにとの命令を受けることになります。
3

その内に壊れそうで危険だという場合どころか、すぐにも壊れそうだったり、不衛生極まりない建築物やその敷地、建築設備に関して、その所有者や管理者あるいは占有者に対しては、一定の猶予期間内に次の措置を取らなければならないと命令されることになります。

命令される措置とは次の通りです
  • 撤去や移設
  • 改築や増築
  • 修正や模様替え
  • 使用禁止や使用制限
  • その他保安上や衛生上必要と考えられる措置
4

危険だったり不衛生な建築物などに対して必要な措置を取るように勧告を受けたり、命令を受けたりする場合には次の条の規定も同じように適用します。
  • 勧告や命令に関する通知が来る(第九条第二項)
  • 言い分を聞いてもらうように要望を出せる(第九条第三項)
  • 公開で意見を聞いてもらえる(第九条第四項)
  • 期日と場所の通知(第九条第五項)
  • 証人や証拠の提出(第九条第六項)
  • 極めて緊急な場合は仮で勧告や命令を(第九条第七項)
  • 仮の勧告や命令が出されたら(第九条第八項)
  • 仮の命令が妥当な場合は(第九条第九項)
  • ひとまず特定行政庁が(第九条第十一項)
  • 勧告や命令に従わないと(第九条第十二項)
  • 勧告や命令を受けると標識が立てられる(第九条第十三項)
  • 標識を立てられることは拒否できない(第九条第十四項)
  • 行政手続法とは別の手順で(第九条第十五項)
原文
(やっかいな建築物に対する命令)
第十一条

人々のためにならないやっかいな建築物のオーナー側の人たちには、その地域の議会の同意を得られた場合には、特定行政庁から所定の期間内に何とかするようにとの命令を受けることになります。

命令される措置とは次の通りです
  • 撤去や移設
  • 改築や増築
  • 修正や模様替え
  • 使用禁止や使用制限
このような命令が出されたことにより、当然起こりうると考えられる損害が発生した場合は、命令に同意した市町村がお金で補償をすることになります。
2

やっかいな建物に対する使用禁止などの命令に対する補償の金額に不服がある場合、その決定を受けた日から一ヶ月以内に土地収用委員会に妥当な金額の裁決をうけられるように申請できます。

この申請のための手続きは、政令で定められています。

土地終了委員会に金額の裁決を受けられるように申請するのは、土地収用法第九十四条第二項に基づくものです。
原文
(報告と検査を)
第十二条

建築確認を受ける必要があり、政令などで安全面や防火面、衛生面に関して特に気をつける必要があるとされている建築物に対して、そのオーナー側の関係者は定期的に状況調査を行う必要があります。

調査した上で、敷地や構造の傷み、腐食の具合を特定行政庁に報告する義務があります。

調査は一級または二級の建築士か、建築物調査員の資格を有する人が当たる必要があり、調査の方法については国土交通省令で定められています。
資格を持って建築物の調査を行う人を《建築物調査員》といいます。
原文

2

国や都道府県の公共施設の責任者は、その敷地や構造について、定期的に損傷や腐食、その他の劣化の状況を点検していく必要があります。

また、建築主事を置く市町村の首長も点検をしなければならない対象となりますし、これらから管理の委任を受けている業者もその対象となります。

なお、上記の対象となる特定建築物であっても、建築審査会において安全面や防火面、衛生面で心配がいらないとお墨付きをもらっていれば、その対象から除外できます。
“国や都道府県の公共施設の責任者”のことを《国の機関の長等》といいます。
原文

3

特に重要な特定建設設備のオーナーは、定期的に安全面、防火面、衛生面で問題がないかの検査を受けて、検査結果を特定行政庁に報告する義務があります。

特に重要な特定建設設備とは、公共の場として使われる建築物にあるエレベーターや防火設備などを指します。

調査は一級または二級の建築士か、建築物調査員の資格を有する人が当たる必要があり、調査の方法については国土交通省令で定められています。
《昇降機》には、エレベーターやエスカレーター、荷物用のエレベーターが該当し、《昇降機等》とした場合にはゲーセンにあるような遊戯施設も該当するようです。
《特定建築物の昇降機以外の建築設備》には、非常用照明装置、換気設備、排煙設備、給排水設備などの防火設備が該当します。
原文

4

国や都道府県、建築主事を置く市町村の公共施設の責任者は《特定建築設備》について、定期的に安全面、防火面、衛生面で問題がないかの検査を受ける義務があります。

調査は一級または二級の建築士か、建築物調査員の資格を有する人が当たる必要があり、調査の方法については国土交通省令で定められています。

なお、上記の対象となる特定建築設備であっても、建築審査会において安全面や防火面、衛生面で心配がいらないとお墨付きをもらっていれば、その対象から除外できます。
原文

5

どのように建築が進められているのかを確かめるために、建築物に関して特定行政庁や建築主事、あるいは建築監視員から報告を求められることがあります。

この報告には、次のような案件が含まれます。
  • 建築物の敷地、建築物の構造体、建築設備、用途について
  • 建築材料や建築設備などの受け取り時や引き渡し時の状況について
  • 建築物の工事計画や施工状況について
  • 建築物の跡地、建築後の構造や設備について

調査の対象となるのは次の人たちです。
 一

建築に関わった人々
  • 建築物やその敷地の所有者
  • 建築物やその敷地の管理者や占有者
  • 建築主
  • 設計者
  • 建築材料の製造業者
  • 工事の監理者
  • 工事の施工業者
  • 建築物に関する調査をした人
 二

指定確認検査機関(第七十七条の二十一第一項)
 三

指定構造計算適合性判定機関(第七十七条の三十五の五第一項)
原文

6

建築物の関係者は、次の規定を実際に行うために必要とされた場合には、証拠となる書類や帳簿などの提出を求められることがあります。

特定行政庁や建築主事からは次の規定が対象となります。
  • 建築基準法がらみで適合かどうかの審査のため(第六条第四項)
  • 確認審査報告書のチェックのため(第六条の二第六項)
  • 完了検査の申請の確認のため(第七条第四項)
  • 中間検査の申請の確認のため(第七条の三第四項)
  • 建築条件の許可違反の確認のため(第九条第一項、第十項、第十三項)
  • 壊れそうな建築物の対策のため(第十条第一項から第三項)
  • やっかいな建築物の対策のため(第十一条第一項、第九十条の二第一項)

建築監視員からは次の規定が対象となります。
  • 緊急の建築条件許可違反の確認のため(第九条第十項)

証拠提出を求められる建築物の関係者とは次の通りです。
  • 所有者
  • 管理者若しくは占有者
  • 建築主
  • 設計者
  • 建築材料などのメーカー関係者
  • 工事監理者
  • 工事施工者や建築物に関する調査をした人
原文

7

建築主事や特定行政庁からの命令に該当する建築物などには立入検査をされたり、試験をされたり、関係者に聞き取り調査されることがあります。

建築主事の委任を受けた市町村や、次の場合には都道府県の職員、あるいは建築監視員からも検査や調査をされることもあります。

都道府県の職員の場合
  • 建築基準法がらみで適合かどうかの審査のため(第六条第四項)
  • 確認審査報告書のチェックのため(第六条の二第六項)
  • 完了検査の申請の確認のため(第七条第四項)
  • 中間検査の申請の確認のため(第七条の三第四項)
  • 建築条件の許可違反の確認のため(第九条第一項、第十項、第十三項)
  • 壊れそうな建築物の対策のため(第十条第一項から第三項)
  • やっかいな建築物の対策のため(第十一条第一項、第九十条の二第一項)

建築監視員の場合
  • 緊急の建築条件許可違反の確認のため(第六条第四項)

立入の対象となるのは次の通りです。
  • 該当する建築物
  • 建築物の敷地
  • 建築材料等を製造した者の工場、営業所、事務所、倉庫その他の事業場
  • 建築工事の現場
  • 建築物に関する調査をした者の営業所、事務所その他の事業場

検査や試験の対象となるのは次の通りです。
  • 建築物
  • 建築物の敷地
  • 建築設備
  • 建築材料
  • 建築材料等の製造に関係がある物件
  • 設計図書その他建築物に関する工事に関係がある物件
  • 建築物に関する調査に関係がある物件

聞き取り調査の対象となるのは次の通りです。
  • 建築物若しくは建築物の敷地の所有者
  • 管理者若しくは占有者
  • 建築主
  • 設計者
  • 建築材料等のメーカー
  • 工事監理者
  • 工事施工者
  • 建築物に関する調査をした者

とはいえ、人が住んでいる場所に立ち入る場合は、あらかじめ住んでいる人の承諾を得る必要があります。
原文

8

特定行政庁には、確認したことや建築基準法がらみで行った処分に関する台帳や、建築物などの調査結果や検査の報告をまとめた台帳がとりまとめられています。

これらの台帳は特定行政庁で保存されます。
原文

9

特定行政庁でとりまとめられて、保存されている台帳に関して、どのような内容を記載し、いつまで保存しなければならないかなど、必要な事項は国土交通省令に規定があります。
原文



(建築物調査員の資格者証)
第十二条の二

次のどちらかに該当する人には建築物調査員として国土交通大臣から資格者証が交付されます。
 一

安全、防火、衛生面における建築物などの定期調査や特定建設設備などの定期検査に関する講習を受けて、国土交通省令で定める課程を修了した人
 二

第一号の課程を修了した人と同等以上の専門的な知識と能力を有すると国土交通大臣から認定された人
原文

2

たとえ国土交通省令で定める課程を修了したり、それと同等の知識や能力を有すると認められる場合であっても、次に該当する場合は国土交通大臣から資格者証の交付を受けられない場合があります。
 一

未成年者
 二

成年被後見人や被保佐人
 三

建築基準法がらみで刑を受けている人や、刑が終わったり刑の猶予があってから二年が経っていない人
 四

次の項に該当して建築調査員資格者証を返納させられることになってから一年が経っていない人
原文

3

建築物調査員の資格を獲得しても、次に該当する場合は国土交通大臣にその資格者証を返納しなければなりません。
 一

建築基準法やこれに関連する命令の規定に違反した場合
 二

成年被後見人や被保佐人になった場合や、建築調査員資格者証を返納させられることになってから一年が経っていないことが判明した場合
 三

調査等に関して不誠実な行為をした場合
 四

虚偽の申告や不正をして建築物調査員資格者証の交付を受けた場合
原文

4

建築物調査員資格者証の交付の手続や関連する事項についての詳細は、国土交通省令に規定されています。
原文



(建築設備等検査員の資格者証)
第十二条の三

建築設備等検査員の資格者証にはいくつかの種類があり、詳しくは国土交通省令で定められています。
2

建築設備等検査員の資格者証の種類によって、重要な特定建設設備の定期検査を受け持つ資格(第十二条第三項)や国や地方自治体が所有する特定建設設備の定期検査を受け持つ資格(第十二条第四項)といったランク付けを国土交通省令に従って設定します。
3

建築設備等検査員の資格者証は国土交通大臣から交付されますが、資格者証の交付を受けるには次のいずれかに該当する必要があります。
 一

検査などに関する講習を受けて、国土交通省令に則り資格者証のランクに即した課程を修了した人
 二

第一号の課程を修了した人と同等以上の専門的な知識と能力を有すると国土交通大臣から認定された人
4

建築物調査員の資格者証を受けられない場合の規定(第十二条の二第二項)、資格者証を返納しなければならない場合の規定(第十二条の二第三項)、資格者証に関する詳細についての規定(第十二条の二第四項)は、建築設備等検査員の資格者証の場合も同じように適用します。
原文
(身分証明書を見せなさい)
第十三条

建築主事や建築監視員が建築物の立入調査や聞き取り調査をする場合(第十二条第七項)は、身分証明書を身につけて、関係者に提示する必要があります。

特定行政庁の命令や、建築主事から委任を受けた地方自治体の職員も同様に身分証明書の提示が必要です。

緊急の場合の工事の停止命令をする場合(第九条の二)の建築監視員も同様に身分証明書の提示が必要です。
2

建築主事や建築監視員には立入調査や聞き取り調査の権限(第十二条第七項)を与えられていますが、あくまでも建築に関する調査であって、犯罪捜査などをするための権限ではありません。
原文
(トップが助言や援助が必要な場合は)
第十四条

建築主事を置く市や町のトップは、建築基準法がらみで助言や援助が必要な場合は都道府県知事や国土交通大臣の力を借りることができます。

都道府県知事が建築基準法がらみで助言や援助が必要な場合は国土交通大臣の力を借りることができます。
2

建築基準法がらみで勧告や助言、援助あるいは必要な参考資料の提供が必要と判断したら、国土交通大臣は特定行政庁に手を差し伸べることができます。

同じように都道府県知事は建築主事を置く市町村のトップに手を差し伸べることができます。
原文
(建築基準法がらみの届けと統計)
第十五条

建築主として、建築物を建築するために建築届けの手続きをする場合は、建築主事を通じて都道府県知事に届けを出します。

同じように、建築物を解体撤去するために建築物除却届けの手続きをする場合も、建築主事を通じて都道府県知事に届けを出します。

これらの届けは、床面積が10㎡を超える場合は必ず行う必要があります。
2

次の規定に該当する工事の場合は、所管する都道府県知事に直接届けを出す必要があり、所管するのが市町村長の場合はそこを通じて都道府県知事に届けを出してください。
 一

増築や改築による建築物の耐震改修計画を認定してもらうの場合(耐震改修促進法第十七条第一項)、届出先となる所管行政庁は、耐震改修促進法第二条第三項に規定されています。
 二

《防災再開発促進地区》に該当する区域で建築物の建替計画を認定してもらう場合(密集市街地整備法第四条第一項)、届出先となる所管行政庁は、その項に規定されています。
3

火災や、地震、風水害などの自然災害のせいで建築物に被害が出たり、そのせいで撤去しなければならなくなったら、その建築物があった市町村の長は都道府県知事に建築物の状況を報告する必要があります。

とはいえ、被害を受けた建築物の面積が10㎡以下の場合は、報告の必要はありません。
4

火災や自然災害による建築被害に関する届け出や報告に基づき都道府県知事は統計報告をまとめ、国土交通省令の定める期間保存されます。

まとめられた統計報告は国土交通大臣に送られます。
5

この条に出てくる届け出や報告の作成方法や手続きに関する詳しいことは国土交通省令で決められています。
通称“耐震改修促進法”の正式名称は、《建築物の耐震改修の促進に関する法律》といいます。
通称“密集市街地整備法”の正式名称は、《密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律》といいます。
原文

(報告や検査など)
第十五条の二難文

この法律の目的である、国民の生命と健康と財産を守り、社会全体を幸福にするために必要ということになれば、建築物の関係者には国土交通大臣から次のような協力を要請されることがあります。

対象となる建築物の関係者とは次のような人たちです。
  • 建築物やその敷地の所有者、管理者、占有者
  • 建築主、設計者
  • 建築材料などのメーカー
  • 工事監理者、工事施工者
  • 建築物に関する調査をした人
  • 《型式適合認定》を受けた人
  • 《形式適合認定》について詳しくは下記の条文に記載されています。
    • 型式適合認定(第六十八条の十第一項の)
    • 構造方法等の認定(第六十八条の二十五第一項)
    • 特殊構造方法等認定(第六十八条の二十六)

要請される協力とは次の通りです。
  • 以下の建築に関する報告、帳簿や書類などの提出
    • 建築物の敷地や構造に関して
    • 建築設備や用途い関して
    • 建築材料等の受取や引渡しの状況に関して
    • 建築工事の計画や施工の状況に関して
    • 建築物に対する調査の状況報告に関して

  • 次の場所へ国土交通省職員の立入調査
    • 建築物やその敷地
    • 建築材料のメーカーの工場、営業所、事務所、倉庫など
    • 建築工事の現場
    • 建築物に関する調査をした人の営業所、事務所など
    • 型式適合認定等を受けた人の事務所など

  • 次を対象とする検査や試験
    • 建築物やその敷地
    • 建築設備や建築材料
    • 建築材料などの製造に関係するもの
    • 設計図書や建築工事に関係するもの
    • 建築物の調査に関係するもの
    • 型式適合認定等に関係するもの

  • 関係者への聞き取り調査


とはいえ、人が住んでいる場所に立ち入る場合は、あらかじめ住んでいる人の承諾を得る必要があります。
2

立入検査をする国土交通省の職員は、身分証明書を携帯し、関係者に提示する必要があります。
3

立入調査や聞き取り調査の権限を与えられていますが、あくまでも建築に関する調査であって、犯罪捜査などをするための権限ではありません。
原文
(国土交通大臣や都道府県知事への報告)
第十六条

建築基準法を守るために必要であれば、国土交通大臣から特定行政庁に対して、都道府県知事から建築主事に対して、必要な報告や統計資料の提出を求められることがあります。
原文
(違反したり、ちゃんと処分やらない特定行政庁に対して)
第十七条

国民や国家の利害に影響を及ぼす状況の建築物に関して、都道府県や市町村の建築主事が建築基準法がらみに違反した処分をした場合、国土交通大臣から都道府県知事や市町村長に対して期限内にその建築主事が違反を正すような命令を行うように指示がなされます。

建築主事が建築基準法がらみに即した処分をする気が無い場合は、建築主事が法に則った処分をさっさと行うように指示がなされます。
原文

2

人の命や身体に危害及ぼすおそれのある建築物に対して、都道府県の建築主事が建築基準法がらみに違反した処分をした場合、国土交通大臣から都道府県知事に対して期限内にその建築主事が違反を正すような命令を行うように指示がなされます。

建築主事が建築基準法がらみに即した処分をする気が無い場合は、建築主事が法に則った処分をさっさと行うように指示がなされます。
原文

3

人の命や身体に危害及ぼすおそれのある建築物に対して、市町村の建築主事が建築基準法がらみに違反した処分をした場合、都道府県知事から市町村長に対して期限内にその建築主事が違反を正すような命令を行うように指示がなされます。

建築主事が建築基準法がらみに即した処分をする気が無い場合は、建築主事が法に則った処分をさっさと行うように指示がなされます。
原文

4

都道府県知事がちゃんと指示をしない場合は、代わりに国土交通大臣がその指示をすることになります。
原文

5

国土交通大臣から指示が来たら、正当な理由がない限り、都道府県知事や市町村長はその指示に従わなければなりません。

都道府県知事から指示が来たら、正当な理由がない限り、市町村長はその指示に従わなければなりません。
原文

6

国土交通大臣や都道府県知事から命令が来たら、建築主事はその命令に従わなければなりません。
原文

7難文

建築主事の違反を正すための命令を行うように指示したにもかかわらず、期限が来ても知事や市長らが指示に従わない場合、《社会資本整備審議会》に本当に正当な理由がないのかを確かめる必要があります。

建築主事の違反を正すための命令を、期限が来ても知事や市長らがちゃんと指示をしない場合も、《社会資本整備審議会》に本当に正当な理由がないのかを確かめる必要があります。

その結果、正当な理由が見当たらない、ということになったら、違反を正すための措置を国土交通大臣が直接行うことになります。
原文

8

国民や国家の利害に影響を及ぼす状況の建築物に関して、都道府県知事や市町村長が建築基準法がらみで違反している場合、期限を決めて知事や市長らに必要な措置をさっさと行うように国土交通大臣から指示されることになります。

知事や市長らが建築基準法がらみに即した処分をする気がない場合も、期限を決めて知事や市長らに必要な措置をさっさと行うように国土交通大臣から指示されることになります。
原文

9

人の命や身体に危害及ぼすおそれのある建築物に対して、都道府県知事が建築基準法がらみで違反した場合、期限を決めて知事に必要な措置をさっさと行うように国土交通大臣から指示されることになります。

都道府県知事が建築基準法がらみに即した処分をする気が無い場合、期限を決めて知事に必要な措置をさっさと行うように国土交通大臣から指示されることになります。
原文

10

人の命や身体に危害及ぼすおそれのある建築物に対して、市町村長が建築基準法がらみで違反した場合、期限を決めて市町村長に必要な措置をさっさと行うように都道府県知事から指示されることになります。

市町村長が建築基準法がらみに即した処分をする気が無い場合、期限を決めて必要な措置をさっさと行うように都道府県知事から指示されることになります。
原文

11

第8項や第9項の場合でも、国土交通大臣から指示が来たら、正当な理由がない限り、都道府県知事や市町村長はその指示に従わなければなりません。

第10項の場合でも、都道府県知事から指示が来たら、正当な理由がない限り、市町村長はその指示に従わなければなりません。

第10項の場合でも、都道府県知事がちゃんと指示をしない場合は、代わりに国土交通大臣がその指示をすることになります。
原文

12

都道府県知事や市町村長が建築基準法に違反して、いつまでたっても国土交通大臣からの指示に従わない場合、《社会資本整備審議会》に本当に正当な理由がないのかを確かめる必要があります。

その結果、正当な理由が見当たらない、ということになったら、違反を正すための措置を国土交通大臣が直接行うことになります。
原文


《社会資本整備審議会》とは、いわゆる有識者会議のことかと思われます。
(建築確認や検査などの手続きの特例)
第十八条

国や都道府県、建築主事がいる市町村が行う建築物に対して、次の対応は必要ありません。
  • 建築確認の確認済証の発行を受ける(第六条)
  • 指定確認検査機関に建築確認を受ける(第六条の二)
  • 構造計算適合性判定を受ける(第六条の三)
  • 認定を受けた建築物などの確認申請(第六条の四)
  • 完了検査を受ける(第七条)
  • 指定確認検査機関に完了検査を受ける(第七条の二)
  • 工事の途中には中間検査を受ける(第七条の三)
  • 指定確認検査機関に中間検査を受ける(第七条の四)
  • 緩和された建築物の規定(第七条の五)
  • 確認済証を受ける(第七条の六)
  • 築基準法がらみに違反したら(第九条)
  • 地方職員の緊急監視(第九条の二)
  • 違反した業者はそれぞれの法律に従う(第九条の三)
  • 壊れそうな建築物に対して(第十条)
  • 工事中でも安全だと認められた場合(第九十条の二)

これらの建築物については下記の各項の規定が適用となります。
原文

2

建築主事のいるエリアの公共施設は、その施設の責任者が建築工事に入る前に建築プランを建築主事に通知しておく必要があります。
原文

3

公共施設の建築プランの通知を受け取った建築主事は、建築基準法がらみで違反がないかを審査して、そのプランが適法と認められたら確認済証が交付されます。
原文

4

公共施設の建築プランを審査するにあたって特定構造計算基準だの特定増改築構造計算基準だのの審査が必要となったら、都道府県知事に適合かどうかの判定を受ける必要があります。

とはいえ比較的容易な内容であれば、判定できる要件を持つ建築主事が建築確認の審査をするのであれば、わざわざ知事の判定を受ける必要はありません。
原文

5

特定構造計算基準だの特定増改築構造計算基準だのの審査が必要な公共施設の建築プランの通知を受けて、建築主事に建築確認を任せる場合、都道府県知事は、この案件の構造計算の適合性を同じ建築主事に両方とも任せることはできません。
原文

6

一般的ではない構造の公共施設の建築プランに対して、適合性の判断をするために必要であれば、都道府県知事から構造計算の専門家に意見を聞くべきです。
原文

7

特定構造計算基準だの特定増改築構造計算基準だのの判定が必要な建築プランの通知を受けた都道府県知事は、その施設の責任者に対して十四日以内に判定結果を記載した通知書を発行しなければなりません。
原文

8

合理的な理由があって十四日以内に建築プランの判定ができそうにない場合、都道府県知事は公共施設の責任者に通知書を送り、判定に時間がかかる理由と延期の見込み日程を伝えてください。

延期できる期限は三十五日以内です。
原文

9

合理的な理由があって構造計算の基準などの判定ができない場合、都道府県知事は十四日以内に公共施設の責任者に通知を送り、理由をそえて判定ができないことを伝える必要があります。
原文

10

都道府県知事から適合という判定結果の通知を受けた公共施設の責任者は、建築確認の審査をする建築主事にこの通知書を提出してください。

通知書の提出はコピーでもかまいませんし、そもそも建築確認の審査結果が不適合だった場合はわざわざ通知書の提出にはおよびません。
原文

11

都道府県知事から適合という判定結果の通知を受けた公共施設の責任者は、建築確認の審査期限の三日前までに通知書を提出する必要があります。
原文

12

地方公共団体の施設の建築プランにおいて構造計算適合性判定が必要な場合は、適合性の判定を受けてもらい、適合の通知書を受け取らなければ建築主事から確認済証の交付を受けることができません。
原文

13

特定構造計算基準に適合性を判定する必要がある公共施設の建築プランに関して、所定の期間内に確認済証の交付が難しい場合は、最大三十五日まで期間を延長することができます。

期間を延長する場合、いつまで延長するかと、延長する理由を添えて公共施設の責任者に通知書を届ける必要があります。
原文

14

公共施設の建築プランだというのに建築基準法に適合できないと建築主事が判断したら、適合ではないことを理由をそえて公共施設の責任者に通知します。

公共施設の建築プランだというのに建築基準法に適合するかどうか建築主事が判断できない場合、判断できないことを理由をそえて公共施設の責任者に通知します。

これらの通知は、建築確認の回答期限までに行います。
原文

15

建築確認の確認済証を受けなければ、公共施設の建築プランにそった工事を進めることはできません。
原文

16

公共施設の建築プランにそった工事が完了したら、四日以内にその施設の責任者から建築主事に完了したことを通知する必要があります。
原文

17

公共施設の責任者からの工事完了の通知が届くと、七日以内に建築主事が建築基準法がらみで適合しているかどうかの検査をしてくれます。
原文

18

建築基準法がらみで適合している公共施設と認められたら、建築済証が発行されます。
原文

19

公共施設の建築プランに工事の途中でも検査が必要な特定工程(第七条の三)が含まれている場合は、その工程の工事が終わる度に、建築主事への通知が必要です。

この通知は、工程部分の工事が終わってから四日以内建築主事に届くようにする必要があります。
原文

20

特定工程が含まれる公共施設の工事で、その工程部分が終わったことを建築主事に通知を届けたら、それから四日以内に該当部分に対する建築基準法がらみの検査が行われます。
原文

21

公共施設の特定工程に対する建築基準法がらみの検査をして適合と認められたら、国土交通省令に従って、中間検査の合格証が公共施設の責任者に交付されます。
原文

22

中間検査の合格証が交付されなければ、公共施設の建築工事の続きを進めることが許されません。
原文

23

公共施設の工事において、特定工程が含まれているために中間検査を受けたことにより、建築基準法がらみで適合が認められれば、その後の中間検査や完了検査において同じところを何度も検査を受ける必要はありません。
原文

24

特殊建築物の対象となる公共施設を新築した場合、完了検査を受けて検査済証をもらうまで、建物の使用はできません。

避難施設を含む公共施設の場合は、増築や改築、移転、大規模な修繕や模様替えの場合も、検査済証をもらうまで、建物の使用はできません。

木造二階建以上か、三階建以上の公共施設も対象となります。

例外として、次のケースは検査済証をもらう前でも建物の使用が可能です。
 一

安全で、防火や避難に支障がないと特定行政庁がお墨付きを与えてもらった場合
 二

安全で、防火や避難に支障がないという建築主事からのお墨付きを与えてもらうために、国土交通大臣が決めた基準に適合していることを認めてくれた場合
 三

完了検査を受けるための通知をしたのに、七日以上たってしまった場合
原文

25

公共施設の建築物が次の規定に該当すると管轄する特定行政庁が認めた場合、そのことは直ちに施設の責任者に通知され、必要な措置を取るように要請されます。
  • 建築基準法がらみや、建築許可条件に違反している場合(第九条第一項)
  • 建築物が壊れそうだったり、不衛生極まりない場合(第十条第一項、第三項)
  • 安全性に問題があったり、防火や避難上の支障がある場合(第九十条の二第一項)
原文


(公共施設の構造計算適合性判定を指定機関にも)
第十八条の二

都道府県知事は、構造計算適合性判定を国土交通大臣や都道府県知事の指定を受けた機関に任せることができます。

構造計算適合性判定について関係する条文は、第六条の三第一項と第十八条条第四項に規定されています。

都道府県知事が機関を指定することについて関係する条文は、第七十七条の三十五の二から第七十七条の三十五の五までに規定されています。
2

都道府県をまたいで関わる建築に対しては、国土交通大臣から指定を受けた機関に任せる必要があります。

一つの都道府県内だけに関わる建築に対しては、国土交通大臣から指定を受けた機関でも、その都道府県知事から指定を受けた機関でもどちらに任せてもかまいません。
3

指定機関に特定構造計算の適合性判定を部分的に任せたら、その部分の判定に都道府県知事は関わらないようにします。

指定機関に特定構造計算の適合性判定を一式全て任せたら、全ての判定に都道府県知事は関わらないようにします。
4

指定機関に特定構造計算の適合性判定を任せた場合、これに関連する次の条文で「都道府県知事が」とある部分は「指定機関が」というように変更して解釈してください。
  • 構造計算適合性判定(第六条の三第一項第三項から第六項)
  • 公共施設のに対する特定構造計算の審査(第十八条第四項、第六項から第九項)
原文
(建築確認申請に関する指針)
第十八条の三

国土交通大臣は、公正で的確な審査を実施するために、指針を設けます。

指針を設ける審査とは次の通りです。
  • 型式適合認定を受けた建築材料による建築申請に対する審査(第六条第四項)や、建築基準関係規定に対する審査(第十八条第三項)
  • 指定機関による確認審査(第六条の二第一項)
  • 構造計算適合性判定(第六条の三第一項、第十八条第四項)に関する審査
  • 中間検査に関する審査(第七条の三第四項、第七条の四第一項、第十八条第二十項)
2

審査実施のための指針を決まったり、変更されたらすぐ国土交通大臣から公表されます。
3

指針が示されたら、審査はこれにそって行う必要があります。
原文
第二章 建物の敷地、建物の構造、建築設備について

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よりわかりやすいかみくだし方のご提案はお気軽にコメント欄へお願いいたします。

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