施行日:令和元年六月二十五日

第二章 建築物の敷地、構造及び建築設備

第二章 建物の敷地、建物の構造、建築設備について

第二章 建築物の敷地、構造及び建築設備

第三章 都市計画と準都市計画の区域の中では

第一章 この法律総てにいえること
(雨水に対する備え)
第十九条

建物を建てるための敷地は、道路に接した地点よりも高くなっていなければなりません。

建物を建てる地盤となる場所は、周りの土地よりも高くなっていなければなりません。

これは、敷地や建物に水が流れ込んでくるのを防ぐことが目的なので、排水をするのに支障がない場合や、湿気を気にする必要のない用途に使われる建物であれば、この規定通りでなくてもかまいません。
2

盛り土や地盤改良をしなければならない土地とは、次の通りです。
  • 湿った土地
  • 水が湧いてくる土地
  • ゴミや廃棄物などで埋め立てられた土地
必要があれば、衛生対策や安全対策も行う必要があります。
3

建物を建てるための敷地には、雨水や汚れた水や排出したり処理するために適した下水管や下水溝、水をためる枡などを設置する必要があります。
4

がけ崩れによって被害を受けるおそれがある所に建物を建てる場合は、崖に擁壁などを設置して安全性を確保する必要があります。
原文
(かかる力に耐えられる構造)
第二十条

建築物は、それ自体の重さ(自重)と、そこに入る施設や人の重さ(積載荷重)に耐えられるだけでなく、雪が降ったときの積雪荷重、風が吹いたときの力(風圧)、地形的に土や水から受ける力(土圧、水圧)に耐え、周辺環境から受ける振動や衝撃にも耐え、さらに地震の揺れにも耐えられる安全な構造であることが求められます。

その基準を次の通り示します。
原文

 一

高さが六十メートルを超える建築物に対して:
構造上の安全性について政令で定められた技術的基準に適合する必要があります。

技術的基準に適合した上で、荷重や外部からの力によって建築物の各部分がトータルでどのような力を受けるのか、その力によってどのように変形を起こすのかを把握しておく必要があります。

さらに、この技術的基準以外に政令で示された基準による構造計算も行い、国土交通大臣のお墨付きを受けて安全性を確保しなければなりません。
原文

 二

高さが60メートル以下の次の建物に対して:
次のイかロのどちらかに適合する必要があります。
  • 三階建以上の木造建築物で、高さが13メートルを超えて60メートル以下のものか、軒の高さが9メートルを超えて高さが60メートル以下のもの。(第六条第一項項第二号)

  • 延べ面積が200㎡を超える建築物(第六条第一項項第三号)の内、
    • 地上四階建て以上の鉄骨造のもの
    • 高さが20メートルを超える鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のもの
    • これらと同類として政令で定められたもの
  イ

政令で定める技術的基準に適合する、安全が確保された構造であること。

その上で、次の二つの条件を満たす必要があります。
  • 構造的に、地震によって建築物の地上の各階で発生する水平方向の変形具合を把握すること
  • 政令で定められた基準による構造計算を国土交通大臣が定めた方法で実施するか、国土交通大臣の認定を受けた計算プログラムで安全を確認すること
  ロ

一号と同じ、政令で定められた技術的基準の適合。
原文

 三

高さが13メートルを超えて60メートル以下で、第二号には該当せず、壁や柱などの主要構造物が次の造のものに対して
  • 石造
  • れんが造
  • コンクリートブロック造
  • 無筋コンクリート造
  • その他にもこれらによく似た造
高さが13メートル以下でも、軒の高さが九メートルを超えている場合も対象:

次の基準のいずれかに適合する必要があります。
  イ

政令で定める技術的基準に適合する、安全が確保された構造であること。

その上で、建築物にのしかかる色々な力から構造を保つために必要な部分ごとに、許容範囲を超えない応力があるかどうか確かめること。

国土交通大臣が定めた方法か、国土交通大臣の認定を受けたプログラムを使い、政令で定める基準に従った構造計算をして、安全性が確かめられていること。
  ロ

一号と同じか二号と同じ、政令で定められた技術的基準の適合。
原文

 四

第一号から第三号に該当しない建築物に対して:
次の基準のいずれかに適合すること。
  イ

政令で定められた技術的基準に適合する、安全が確保された構造であるためこと。
  ロ

第一号から第三号のいずれかと同じ、政令で定められた技術的基準の適合。
原文

2難文

建築基準法第二十条の基準では一つの建築物といえるものであっても、政令では別々の建物として判断される箇所が複数あれば、第二十条でも別々の建築物として適用させることになります。
原文


(大規模な建物の主要構造部について)
第二十一条

主要構造部分に燃えやすい木材やプラスックなどの材料を用いた建築物で、高さが13メートルを超える場合は、耐火構造などにする必要があります。

軒高が9メートルを超える場合も同様に耐火構造などにする必要があります。

耐火構造などについて詳しくは第二条第九号の二イに規定されています。

なお、床や屋根、階段に木材やプラスチックなどの材料が使われているとしても、それだけでは耐火構造の対象になりません。

また、構造自体が政令で定める防火上必要な技術的基準に適合している建築物や、主要構造部分の防火措置などが記述的基準に適合している建築物についても耐火構造の対象になりません。
2

主要構造部分に燃えやすい木材やプラスックなどの材料を用いた建築物で、延べ面積が3000平方メートルを超える建築物は、次のどちらかの号に適合する必要があります。

なお、床や屋根、階段に木材やプラスチックなどの材料が使われているとしても、それだけでは適合する必要がありません。
 一

耐火構造など(第二条第九号の二イ)
 二

建築物の部屋や区画を仕切るための壁、柱、床などや、防火戸や防火設備は、通常レベルの火災で燃え広がることを防止するために、次の性能を有する必要があります。
  • 政令で定められた技術的基準に適合するもの
  • 国土交通大臣が定めた構造にするか、認定を受けた部材を使って有効に区切ること
  • 最大でも3000平方メートル以内に区切ること

防火設備に関しては、政令で定められた物がこれに該当します。
原文
(屋根)
第二十二条重要

防火地域内や準防火地域内では屋根に防火に関する規定が別にあります。

それらの指定がされていない市街地内で、特に指定を受けた地域においては、建築物の屋根は通常レベルの火災による火の粉が飛んできたぐらいでは燃え移らないようにしなければなりません。

そのために、建築物の構造や用途の分類ごとに政令で定められた技術的基準に適合する屋根とし、国土交通大臣が定めた構造にするか、国土交通大臣の認定を受けた屋根にする必要があります。

例外として、伝統建築的な茶室やあずまやのような建築物と、延べ面積が10平方メートル以内の物置や納屋などの建築物については、よくよく燃え移りやすい部分以外は、自由な材質や構造の屋根にしてもかまいません。
2

都市計画区域内で燃え移りにくい屋根のエリアの指定は、特定行政庁が行います。

この指定をするには、都道府県都市計画審議会で意見を聴く必要があります。

市町村都市計画審議会が設置されている市町村の長が特定行政庁を行う場合は、その市町村都市計画審議会で意見を聴く必要があります。

都市計画区域以外の区域で燃え移りにくい屋根のエリアを指定するには、関係市町村の同意を得る必要があります。
原文
(外壁)
第二十三条

防火地域などではない市街地内で、特に指定を受けた地域においては、木造の建築物の外壁は通常レベルの火災による火の粉が飛んできたぐらいでは燃え移らないようにしなければなりません。

そのために、建築物の構造や用途の分類ごとに政令で定められた技術的基準に適合する土塗などの壁とし、国土交通大臣が定めた構造にするか、国土交通大臣の認定を受けた壁材を用いる必要があります。

木造の建築物については、《木造建築物等》として第二十四条や第二十五条、第六十二条第二項でも規定があります。
原文
(木造の特殊建築物の外壁と軒裏は)
第二十四条

防火地域などではない市街地内で、特に指定を受けた地域においては、次のどれかに該当する木造の特殊建築物は、単に燃え移りにくいものにするだけでなく、外壁や軒裏で燃え移りやすい部分は、簡単に燃え移らない防火構造にしなければなりません。
 一

使用目的が、学校、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、マーケット、公衆浴場の場合。
 二

使われる床面積が合計50平方メートルを超える建築物で、使用目的が自動車用の車庫の場合。
 三

二階建て以上で、使われる床面積の合計が200メートルを超える建築物で、使用目的が百貨店、共同住宅、寄宿舎、病院、倉庫の場合。
原文
(一部でもかかっていたら)
第二十四条の二

防火地域などではない市街地内で、特に指定を受けた地域に一部でも敷地が含まれていたら、屋根や壁面に対する規制は建物や敷地全体にかかることになります。
原文
(広大な木造建築物は)
第二十五条

延べ面積が1000平方メートルを超える木造建築物等は、屋根は火の粉が飛んできても燃え移らない構造に、外壁や軒裏は簡単に燃え移らない防火構造にしなければなりません。

一つの敷地内に複数の木造建築物が建っている場合は、その合計が1000平方メートルを超える場合も、同様にする必要があります。
原文
(防火壁)
第二十六条

1000平方メートルを超える大型の建築物は、一つの区画が1000平方メートル以内になるように、燃え広がることを防ぐ機能を有する防火壁で仕切れるようにしなければなりません。

ただし次の場合、防火壁が必ず必要というわけではありません。
 一

そもそも火災に強い耐火建築物と準耐火建築物。
 二

火災発生のリスクがそもそも小さい用途で、次のイまたはロのどちらかに該当する建築物。

火災発生のリスクが小さい用途とは、卸売市場や機械の製造工場などです。
  イ

構造上の主要部分が不燃材料的なもので建てられていること。
  ロ

構造や防火上の措置が、防火に関する技術的基準に適合していること。
 三

農業関係などの目的で、例えば家畜小屋のように政令で用途を決められている建築物に関しては、国土交通大臣が定める基準に適合することにより、構造的にも、その用途的にも、周囲の環境的にも燃え移る恐れがないもの。
原文
(耐火性が必要な特殊建築物は)
第二十七条

次に該当する特殊建築物は、火災発生の際に中の人々が避難を終えるまでの時間をかせぐ必要があります。

そのために、建築物の主要構造部には政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造にするか、認定を受ける必要があります。

同時に、その建築物の窓や出入口は火災が燃え移りにくいように、政令で定めるものにする必要があり、防火戸や政令で定める防火設備を設置しなければなりません。

防火設備は、政令で定める技術的基準に適合する遮炎性能が必要で、国土交通大臣が定めた構造にするか、認定を受ける必要があります。
原文

 一

三階以上の階が、次の(一)から(四)の用途に該当する特殊建築物

(別表第一)
(一)多数の人が集まってイベントをするための建築物
(劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など)
(二)人が泊まるための建築物
(病院、患者を入院させられる診療所、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎など)
(三)勉強をするための建築物
(学校、体育館)
(四)人が自由に動き回って買い物やイベントをするための建築物
(百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場など)
原文

 二

一階または二階が、次の(一)または(三)の用途に該当し、その部分の床面積が下段に指定する広さよりも広い建築物

(別表第一)
(一)多数の人が集まってイベントをするための建築物
屋外観覧席の場合:観客席が200平方メートル以上
屋外観覧席の場合:観客席が1000方メートル以上
(三)勉強をするための建築物
2000平方メートル以上


二階が、次の(二)または(四)の用途に該当し、その部分の床面積が下段に指定する広さよりも広い建築物

(別表第一)
(二)人が泊まるための建築物
2000平方メートル以上
病院や診療所の場合は、二階に入院施設がある場合
(四)人が自由に動き回って買い物やイベントをするための建築物
500平方メートル以上
原文

 三

次の(四)の用途に該当し、その部分の床面積が階数に関わらず下段に指定する広さよりも広い建築物

(別表第一)
(四)人が自由に動き回って買い物やイベントをするための建築物
3000平方メートル以上
原文

 四

観客席が二階以上にある劇場、映画館、演芸場など
原文

2

次に該当する特殊建築物は、耐火建築物にする必要があります。
原文

 一

三階以上の階で倉庫の用途として使われる部分の床面積が200平方メートル以上の建築物
原文

 二

三階以上の階で自動車の車庫や修理工場として使われる建築物
原文

3

次に該当する特殊建築物は、耐火建築物か、準耐火建築物にする必要があります。
原文

 一

次の(五)と(六)の用途に該当し、その部分の床面積がする特殊建築物

(別表第一)
(五)倉庫1500平方メートル以上
(六)自動車の車庫や修理工場150平方メートル以上
原文

 二

次の表に記載されている危険物を製造するための施設として使われる特殊建築物
(準住居地域内には建てられない建築物)

(別表第二)
(と)四
(ぬ)第一号(一)火薬(火薬類取締法で規定されているもの)
(二)危険物(消防法で規定されるもの)
(三)マッチ
(十一)可燃性ガス(政令で定めるものはのぞく)
(十二)圧縮ガス、液化ガス

該当するものであっても、政令で防火上たいした危険はないと判断されているものは対象からはずれます。

該当するものであっても、政令でたいした物量ではないと判断されている量の保管や処理程度の場合も対象からはずれます。
原文


(部屋に光と風を取り入れる)
第二十八条

人が寝起きするための居室には、窓や開口部をつけて光を取り入れられるようにしなければなりません。

人が寝起きするための居室が含まれる建築物には、住宅、学校の教室部分、病院や診療所の病室部分、寄宿舎、下宿などが該当します。

必要な窓や開口部の面積は、住宅の場合は床面積の七分の一以上、それ以外の場合は五分の一から十分の一までの間のいずれかにするように政令で決められています。

ただし地下室は例外です。

用途上、温度や湿度を管理する必要がある部屋も光を取り入れるための窓の規定の例外が認められます。
2

建物の用途に関わらず、人が暮らすための居室には、窓や開口部をつけて風や空気を取り入れられるようにしなければなりません。

必要な窓や開口部の面積は、床面積の二十分の一以上にする必要があります。

もし窓や開口部に必要な面積を確保できない場合は、政令で定められた技術的基準をクリアした換気設備を取り付ける必要があります。
3

次に該当する特殊建築物の居室や、かまどやコンロなどの火気を使う調理室や浴室などでは、政令で定められた技術的基準をクリアした換気設備を取り付ける必要があります。

(別表第一)
(一)劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など
4

ふすまや障子、またはいつでも開放できるパーテーションで仕切られた二つの部屋の場合は、二つの部屋を一つの部屋と考えて窓や開口部、換気設備を取り付けてもかまいません。
原文
(石綿や有害物質が飛び散らないように)
第二十八条の二

発がん性物質の石綿に限らず、建築物から有害物質が飛び散ることがないように、次の基準に適合するように建築しなければなりません。
 一

そもそも石綿のような有害性の高い物質を建築材料に混ぜて使わないこと。
 二

石綿などの有害物質が飛び散る心配が全くないと国土交通大臣からお墨付きを得ているものをのぞき、有害物質が含まれる建築材料を使用しないこと。
 三

寝起きや食事をするための居室は石綿以外の有害物質に関しても技術的基準に適合している必要があります。

石綿以外の有害物質についても有害性のレベルに応じて、それらを建築材料に混ぜたり、建築材料に含めないことも必要とされます。

さらに、有害性のレベルに応じて、換気設備をどうするかについても政令で定める技術的基準に適合する必要があります。
原文
(地下室を居室にするには)
第二十九条

地下室を住宅の居室にするときは、壁や床がジメジメしないように、そして衛生面で問題を起こさないように、政令で定める技術的基準に適合する防湿処置などをしなければなりません。

地下室を、学校の教室、病院の病室、寄宿舎の寝室にするときも、適合する防湿処置をする必要があります。
原文
(お隣さんに不快な音が伝わらないように)
第三十条

お隣さんと建物を仕切って共同で使う建物では、生活音が伝わって隣に不快な思いをさせない必要があります。

生活音の漏れ伝わりにくさや、音をやわらげるための能力のことを《遮音性能》といいます。

お隣さんと仕切りの壁の両側で生活することになる長屋タイプの建物や共同住宅では、仕切りの壁に《遮音性能》が求められます。

仕切りの壁の構造と《遮音性能》については、政令で定める技術的基準に適合する必要があります。

仕切りの壁の構造と《遮音性能》については、国土交通大臣が定めた構造にしたり、国土交通大臣の認定を受けたものを使うことも認められます。
お隣との仕切りの壁のことを《界壁》といいます。
原文
(トイレ)
第三十一条

下水道法では、下水道がカバーする地域を《処理区域》として定義しています。

処理区域内では、必ず水洗式のトイレにする必要があります。

トイレを水洗式にするためには、汚水管を公共下水道に接続してください。
2

下水道によって終末処理場に排水を流すことができない地域では、汚水管は汚物処理が可能な浄化槽を通して、きれいになった水だけを外部に流してください。

この浄化槽は、汚物をきちんと処理できるかどうかについて政令で定める技術的基準に適合する上に、国土交通大臣が定めた構造にするか、認定を受けたものを使う必要があります。
原文
(電気設備)
第三十二条

建築物に通す電気設備をどのようにしなければならないかは、法律か法律に基づく命令規定で決められています。

この法律や命令は、《電気工作物》の安全面や防火面に関するやり方が規定されています。
発電や送電のための建物と、電気を使う建物に必要な電気設備などを《電気工作物》といいます。
原文
(落雷を避けるために)
第三十三条

高さが20メートルを超える建築物は、落雷の被害を避けるための装置として、避雷針などを取り付ける必要があります。

ただし周囲の状況から、あえて避雷針などをつけなくても落雷の被害の心配がない場合は、取り付けなくてもすむケースもあります。
原文
(エレベーターとエスカレーター)
第三十四条

エレベーターやエスカレーターを設置する場合は、何よりも安全であることが必要です。

その周りの壁や開口部は防火面で支障を来さない構造にしなければなりません。
2

高さ31メートルを超える建築物はには非常用エレベーターを取り付ける必要があります。

政令で定められた建築物については、非常用エレベーターの設置が義務づけられない場合もあります。
原文
(避難や消火に必要な技術的基準)
第三十五条

次に該当する建築物は、以下の部分を政令で定める技術的準に従って、避難や消火をする際に支障が出ないようにしなければなりません。
  • 次の表の用途に該当する特殊建築物
  • (別表第一)
    (一)多数の人が集まってイベントをするための建築物
    (劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など)
    (二)人が泊まるための建築物
    (病院、患者を入院させられる診療所、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎など)
    (三)勉強をするための建築物
    (学校、体育館)
    (四)人が自由に動き回って買い物やイベントをするための建築物
    (百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場など)
  • 三階建て以上の建築物
  • 政令で規定するタイプの窓や開口部が設置されていない居室を持つ建築物
  • 延べ面積1000平方メートルを超える建築物
    一つの敷地に複数の建築物がある場合はその合計の延べ面積が1000平方メートルを超える場合も

避難や消火上の支障を出さないようにしなければならない部分は次の通りです。
  • 廊下や階段
  • 出入口や避難口、避難用施設
  • 消火栓やスプリンクラー、貯水槽などの消火設備
  • 排煙設備
  • 非常用照明設備
  • 消防が侵入したり、避難するために必要な入り口や通路
原文

(防火上支障のない内装に)
第三十五条の二

次に該当する建築物は、壁や天井の室内側を防火上支障が出ないようにしなければなりません。
  • 次の表の用途に該当する特殊建築物
(別表第一)
(一)多数の人が集まってイベントをするための建築物
(劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など)
  • 三階建て以上の建築物
  • 政令で規定するタイプの窓や開口部が設置されていない居室を持つ建築物
  • 延べ面積1000平方メートルを超える建築物
  • かまどやコンロなど火を使う設備や器具が設置されているキッチンや浴室など

そもそも、天井のない建築物は屋根の室内側を防火上支障が出ないようにしなければなりません。

政令で定めのある場合は、防火上の支障を考える必要はありません。
原文

(窓がない居室には)
第三十五条の三

政令に適合する窓や開口部がない居室は、壁や柱、床やはりを不燃材料を用いて、耐火構造にする必要があります。

ただし、次の表の用途の場合は、耐火構造などにすることが免れる場合があります。
(別表第一)
(一)多数の人が集まってイベントをするための建築物
(劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など)
原文

(詳しくは政令で)
第三十六条

この章に関連する以下の事柄について、設置方法や、安全性、防火、衛生に関する詳しいことは、政令で定められます。
  • 居室の採光面積
  • 床から天井までの高さ
  • 床の防湿方法
  • 階段の構造
  • トイレ
  • 防火壁
  • 消火設備
  • 避雷設備
  • 給排水その他の配管設備
  • 浄化槽
  • 煙突
  • エレベーターやエスカレーター
原文

(建築材料の品質保証)
第三十七条

建築物の基礎や主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)に使用する木材や鋼材、コンクリートなど国土交通大臣を指定したものは、安全性や防火性能、衛生面などを保証するため、次のどちらかに該当するものでなければなりません。
 一

国土交通大臣が建築材料ごとに指定するJIS(日本工業規格)か、JAS(日本農林規格)に適合するもの。
 二

安全性や防火性能、衛生面などについて国土交通大臣が認定する技術的基準に適合するもの。
原文

(未知なる構造や建築材料に対して)
第三十八

過去に例のないような構造の建築物や、使われたことのないような建築材料を使った建築物に対して、国土交通大臣が従来の適合品よりレベルが高いと認めてもらえたら、この章や関連する命令の規制にしばられる必要はありません。
原文

(災害危険区域)
第三十九条

津波や高潮、洪水などによる危険性が高い場所に対して、地方自治体の条例により災害危険区域として指定されることがあります。
2

災害危険区域を指定する条例の中には、この区域内では住居のための建築を禁止したり、災害を防止するために必要であれば住居以外であっても建築を禁止することが認められます。
原文

(条例でもっと安全に)
第四十条

地域ごとの気候や風土的な特性を考えた場合に建築基準法やこれに関連する命令による規定だけでは安全性や防火性能、衛生面などが十分に保証できないと地方自治体で危惧されることがあります。

その場合は、地方自治体が建築物やその敷地、構造、建築設備に対する制限を加える条例を設けることが認められます。
原文

(条例で規制緩和)
第四十一条

都市計画区域や準都市計画区域の外では、市町村が条例を策定して、次の規定を適用除外とすることができます。

条例を設定するには、除外の対象となる区域を決めて、その区域内では条文を適用が不要だということを国土交通大臣に承認してもらう必要があります。

適用除外までは認められなくても、適用を緩和することも認められます。

除外や緩和の対象となる条文
  • 雨水に対する備え(第十九条)
  • 大規模な建物の主要構造部について(第二十一条)
  • 部屋に光と風を取り入れる(第二十八条)
  • 地下室を居室にするには(第二十九条)
  • 詳しくは政令で(第三十六条)

ただし、劇場などの用途に使われる床面積100㎡以上の特殊建築物や、木造以外で2階建て以上や床面積200㎡超えの建築物については除外や緩和の対象にはなりません。
原文
第三章 都市計画と準都市計画の区域の中では

第一章 この法律総てにいえること
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